そろそろ本気で終わりが見えてきたので少しでも繋がりを大切にしようと願う性騎士のブログです!
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大雨の後、シバイ親子はビ城まで下がり篭城の構え。

コウメイは五丈原を奪ったが、コウメイ自身が急激な衰えを見せていた。


成都での過度な政務によりコウメイの体力は激減していたのだ。

シバイはそれを間者から聞いており「牛馬の仕事もコウメイが行っている」と皮肉っていた。

ただ、今はシバイ自身も全身にヤケドを負い、策にはまったショックと悪夢のような炎を思い出すと

床に伏せた。


コウメイは明日とも知れぬ表情であったが、夏は乗り越えた。

ただ兵の士気も下がっている。天命が魏にあり、成都の勅使を無視した事で反逆の罪に問われるのでは・・・。

こういった事を考えれば成都に残してきた家族が心配であり、兵達は戦どころではなかった。

コウメイは秋空の下、星を見ていた。

「キョウイよ・・・今、私の命を司る星が輝きを失った」

「・・・」

「・・・」

「秋風は体に障ります・・・」

「いや、もはやどうにもならん」

「・・・私の母は昔、私の寿命を北斗・南斗に祈りました・・・」

「あぁ地元の方に聞いた」

「本当かは分かりませんが、それでも祈りは通じるものと思います」

「・・・確かに・・・私も赤壁の戦いでは南東の風を天に祈った・・・」

その日から、コウメイは祈りの台を作り、北斗七星を象った絵を掲げ、ロウソクに火を灯した。

主灯1つ、その左右に7つずつのロウソクに火を付け、一心に祈り続けた。

この火は祈りが届くまでは消していけないので、キョウイは細心の注意を払っていた。

睡眠・食事も充分に取り、祈り続けていると、コウメイは空を見て語った。

「おお・・・我が命の星が輝きを取り戻したぞ」

そう言うコウメイの顔に血色が戻ってきた。


その後もコウメイは祈りを続けていた。

キョウイもロウソクの火を絶やさぬようにと付きっ切りで周囲の世話をしていた。

そこにゴハンが駆けつけてきた。

「コウメイ殿が元気を取り戻したと聞いて飛んで参った!」

その勢いにコウメイとキョウイはロウソクを見た。全ての炎は揺らめいたが、すぐに炎は上を向いた。

だが、主灯だけは消えていた。

「あっ!」とキョウイは固まり、コウメイも扇子を落とした。

ゴハンは最前線で防衛に当たっていた為、この儀式を知らなかったのである。

「ん、どうかしたのか?」

「・・・」

「いえ、キョウイと子供がするような遊びをしていたのです」

とコウメイは笑顔を取り繕った。


その晩からコウメイは一気に衰え、気息奄々としていた。

「キョウイよ・・・」

「はい」

「私の子、センはまだ9つなので、どうか兄とも父ともなり面倒を見てやってくれ・・・」

「・・・はい」

「また、私の屋敷に、先帝と出会ってから書き留めてきた24冊の本がある。これを受け取って欲しい・・・」

「・・・はい」

コウメイは血を吐いた。

それを袖で拭きながら、遺書を認めた。

「これを・・・おまえも読んでくれ」

この成都よりの勅使を無視した事はコウメイの一存で部下は止む無く従った。

コウメイには屋敷と畑があるだけでその他には何の財産も無く、謀反を起こす気など無かった。

リュウゼンは先帝の志を思い、欲を押さえ、蜀の人々の為に生きて欲しい。

こういった事が書かれており、自身の最後にまで、コウメイを疎んじていたリュウゼンの事を思いやる文章を

書かねばいけないコウメイの事を思うと、涙で文も読めぬ程であった。

「さて・・・キョウイよ。私が死んだら、それは決して外にもらしてはいかん。シバイが来る・・・。

ここで死ぬのは私一人にして、全員、成都へ帰るのだ」

「・・・はい」

「それから、私の墓だが・・・成都には帰りたくない・・・。石だけあれば良い。それを魏に向けて・・・」

そう言うと事切れた。54歳であった。

シバキの元で兵法を学び晴耕雨読の日々からリュウビに惹かれて戦場に出る事20年あまり。

その知略によって戦は数だけでは決まらぬと大陸全土に広めてきたコウメイもついに没した。


キョウイはその場でコウメイに祈ると、側近だけにこれを伝え、棺に移した。

翌日、キョウイはコウメイが休んでいる事を伝えと、全軍の撤退指示を出した。


当然、ゴハンは怒り出した。

「何を言っている!馬鹿殿に背いてここまで来たのだぞ!!!」

「はい、ですが後方の支援、特に兵糧も無い為冬を越せません。その為に丞相は止むを得ず帰還を決断しました」

「ぬうう!」

「帰りはカンコウが先方・ゴハン将軍は本体を、私が後方を見ます」

「・・・分かったわい・・・」

こうして五丈原から撤退した。


だが、シバイにはこれがバレていた。

「とうとう死んだか・・・コウメイめ・・・」

「父上!」

「あぁ、行くぞ!一人たりとも蜀に帰すな!!!」

シバイは5万の軍を持って南下を始めた。


キョウイは最後方で棺を運んでいたが、やがてその後ろからの馬の音に気付いた。シバイの軍である。

もはやこれまでかと剣を抜いたが、そこにゴハンがやってきた。すると目ざとく棺を見つけ、

「やはりこういう事か・・・」

「ゴハン将軍・・・」

「ワシのせいだったのだな。だが、安心しろ。シバイはこっから先には行かせん!!」

「将軍!」

「別れを惜しんでいる暇は無いだろう!行け!!!」


そこにゴハンの側近500騎が駆けつけてきた。だがゴハンは叫んだ。

「お前らも蜀へ帰れ!ワシ一人で充分だ!」

誰一人として返事も無く、シバイ軍を見据えていた。

「・・・・分かった。生きて帰ると思うなよ!!!!!突撃じゃー!」

「おぉ!」


シバイ軍は混乱した。

撤退に必死であろう蜀軍からまさかの反撃であり、正真正銘の決死の覚悟を持った騎馬隊の突撃により軍が乱れた。


その隙に蜀軍は漢中へ辿り着いていった。

ゴハンは必死に矛を振り回し、朝日を浴びて返り血により馬もゴハンも真っ赤に染まったが、やがて矢を1本、2本と受け続け

針鼠のようになったゴハンは馬上で息絶えた。それでも落ちる事も無く、馬も絶命しているが倒れる事は無かった。

それをシバイが踏み倒し、さらに追撃していくと漢中の山上でキョウイが、その隣にはコウメイが椅子に座っていた。

そこでキョウイが右手を上げると、蜀軍の後方部隊が必死で銅鑼鉦鼓を打ち鳴らした。

「だ、誰だ!コウメイが死んだ等と言った奴は!!!!!」

そう言うとシバイは後ろを振り返る事無く去っていき、シバイが我を取り戻したのはビ城の自室の寝台の上だった。


だがそのコウメイは木人形であった。

こうして死せるコウメイが生けるチュウタツ(シバイ)を走らせ、蜀軍はコウメイ・ゴハン以下500騎だけの死を持って

蜀に帰った。


キョウイは漢中でヨウギにコウメイの遺書を渡した。

「む、お主はどうするのだ?」

「はい、丞相の願いで墓を立ててから蜀に戻ります」

「分かった。必ず帰ってこいよ」


そこにはカンコウも来ていたので二人でコウメイの墓石を彫った。

それを北東に向けて、弔いが終わったのは2日後の事だった。


そこには五斗米道の教祖チョウレンも来た。

「コウメイ様の御陣没はお痛ましい限りでございました・・・」

「・・・あぁ、チョウレンさん」

「・・・カンコウさんにお渡しする物がございます」

そう言うと教徒が袋を持ってきた。中には、天水から帰る時に教徒に任せていた青龍円月刀と蛇矛があった。

一日、また一日と教徒が山伝いに運んで来てくれていたのだった。

「おお、これさえあれば百人力だ。チョウホウも喜んでいるであろう。助かりました」


その後もカンコウとキョウイはコウメイの墓の横で、何を話すわけもなく佇んでいた。


すると2千騎程の軍が南からやってきた。先頭にはギエンが立っている。

「やい!貴様ら!皆が蜀に帰ったというのに今だ帰らぬとは、やはり謀反を企んでいたな!?」

「何だと」

「お。ふん、見回りに出てみれば良い物を見つけたわ!これがコウメイの墓だな。こんなもの踏み倒してやる!」

「待て!指一本でも墓に触れてみよ!全員を血祭りに上げてやるぞ!」

そう言ってカンコウはギエンの馬の足を薙いだので、ギエンは地に投げ出された。

「おのれ!」


ギエンとカンコウは打ち合いを始めた。

キョウイはカンコウが負けるとも思っていなかったので、後ろの2千騎をどうするかを考えていた。

キョウイの後ろは断崖絶壁である。

(こうなれば・・・丞相に殉じて二人で散るか・・・)

等と考え付いた時だった。

五斗米道の教徒に運ばれ、漢中に保管してあった青龍円月刀は手入れ不足の為か、固い筈の柄の部分が折れてしまった。

カンコウがその鮮やかに宙に舞う刃先に目を取られると、ギエンの槍がカンコウの胸を貫いた。

さらにもう一突きし、勝ち誇った顔でもう一突きするとカンコウはそれを避けギエンの首を絞めた。

ギエンの呻き声が聞こえ、もみ合いになり、やがて絶壁から二人は落ちていった。

「カンコウ!!」

返事も無く、遥か崖の下には動かぬ死体が2つ。

キョウイがそれを見るや、槍を持って2千騎に向かって歩き出した。

その恐ろしい程の殺気を見て、大将を失った騎馬隊は馬を返して去っていった。

キョウイはそこでコウメイの墓石に持たれ、声も無く泣いた。

天下に轟く名刀。カユウを斬りテンイを裂いた至上の武器は悲しげに2つに別れていた。



蜀ではリュウゼンにコウメイの遺書が届けられた。

さすがのリュウゼンもコウメイの心遣いと想いに打たれ、元々が憎しみに執着する人間でも無かったので、

誰にも何の罰も与えなかった。

コウメイの右腕としていたキョウイも漢中の守りを任せ、鎮北将軍を任命しただけであった。


だが、以後もリュウゼンは変わらず、胡散臭い占い師を呼んだ所、

「蜀の安泰は約束されている。ひたすら、楽しまれよ」

という事を言われ、リュウゼンはコウコウとやりたい放題に遊び尽くした。


魏の帝、ソウエイは西の脅威が去った事で大いに喜んだ。

それからは、まだ33歳だというのに不老不死に執着したが、その後僅か2年、35歳で死んだ。

これを継いだのが長子のソウホウ。若干8歳であり、遺言でシバイの補佐により政治が行われた。

実質的な支配権がシバイに移るが、2年で病死。

その息子であるシバシ・シバショウが、大将軍・丞相となり、魏を治めていった。


また、呉では内乱が起こった。

ソンケンの長子が死んだため、跡継ぎを巡っての女・文官の争いである。

これを忌み嫌い、リクソンはソンケンにこの争いをやめるように進言したが、これがソンケンの勘に触り

遠ざけられた。トウシやリケイをして、リュウビの如き人徳・コウメイの如くの知恵者リクソンは

その遠ざけられたまま、呉に覇権をもたらさぬままに62歳でこの世を去った。

その後の都督を継いだのがショカツカクであり、キョウイもその頃には蜀の大将軍の地位にいた為、よしみを通じ

同時に魏に攻め入ろうとした。だが、ショカツカクの傲慢な態度を気に入らない呉の将により謀反に合い

あっけなくショカツカクは死に、共同戦線も消えうせた。


コウメイの墓を立ててから20年。

キョウイは5万の軍勢を持って北伐を開始したが、長年の平和な生活で兵の気は衰え、

また、桟橋も朽ち果てたことで兵糧も運べず、結局はコウメイが涙を呑んだ地の利の限界を知るだけだった。

それからは平和な日々が続いた。


キョウイとリケイに子は無く、かわりにカンペイとシュウレイの息子であるカンチュウと、

コウメイの子、ショカツセンの二人に目を掛けていた。

また、リュウゼンの第5子、リュウジンが、何故かリュウビやチョウヒを祖父として恥じぬ志を持っており、

リュウシン、ショカツセン、カンチュウが3人で国を考えるようになった。

3人はキョウイとリケイの屋敷によく訪れた。

「大将軍。我らが蜀はこのままでよいのでしょうか?」

「もし魏が攻めてきたら、一日で落ちてしまうと思うのですが」

「大将軍としてのお考えをお聞かせ下さい」

キョウイはこの3人を細い目で見ていたが、朝廷の話になると

「侫臣は除くべきです!」という話だけになる。侫臣、つまりコウコウの事である。(いらないやつ的な意味)

だが、この蜀が頼みとする志ある者が、直接、名前で呼べない・・・・

この事自体が既に限界であり、コウコウを斬ったとしても、帝が代わらなければ何も変わらない。

蜀の敵が、誰でもなくその蜀を治める帝その者であるのだ。


「よいか、皆、我等は我等の勤めをするだけだ」

こう言うのが精一杯であった。

この3人にも家族がいたので、無理な事はさせられなかった・・・。


やがて3人の心配する出来事があった。

シバシが病死しシバショウが魏で全支配権を握るようになると、ショウカイ・トウガイという二人の将に蜀討伐を命じた。

それぞれ10万ずつの兵を持ち、北の守りの要である漢中をついに落とした。

それでもキョウイは逃げ切り、剣閣まで下がり必死の防戦を見せた。

数の上ではショウカイの軍が圧倒的に有利であったが、山峡という地の利を活かしたキョウイの策により持ちこたえ続けた。

一方、トウガイはそのキョウイの奮戦を聞き、別の道から成都に攻め入る事を考えた。

山道を渡り、一気に成都まで押し通る。


だが、これは道と呼べるようなものでは無く、次々とトウガイの軍勢は足を滑らせ、その数は減っていった。

トウガイはこの戦に息子のトウチュウを連れていた。

「父上、これでは無理です!引き返しましょう」

「馬鹿を言うな!ここまでやってきたのだ。もはや死んだ兵の為にも成都を落とすまでは帰らん!!」

決死のトウガイの進軍は無謀そのものであった。

だが、それでも進み続け、やがて断崖絶壁にたどり着いた。

成都も近くに捕らえたが、もの凄い落差の崖であり、進むのは不可能であった。

だがトウガイは叫んだ。

「皆、これを降りれば成都もすぐそこだ!!!生きて会おうぞ!!!」

そう言うとトウガイは布をまとい、崖を転がっていった。

魏の兵もトウガイの温かい情に触れており、逃げ出す者もなく全員が飛び降りた。

途中で頭を打ち、血を噴出しながら死体となって降りてくる者。

五体がバラバラになって降りてくる者。

トウガイは何とか命はあった。息子も地面から起きようとしている。

だが、死んだ者も多く、10万人で山を登り始めたが、その崖に下にいたのは2万人にも満たなかった。

トウガイはそこで生き残った者、全員の肩を抱いて喜んだ。

「死んだ者の為にも、突き進むのだ!」


これを聞いた成都は慌てた。

リュウゼンは占いを信じて、ひたすらに女を囲い楽しみ続けた。コウコウは慌てて右に左にうろつき始めた。

また、それを聞きつけたショカツセンが息子のショカツショウと共に応戦した。

ショカツセン軍は僅か2千。

センの軍も奮闘したが圧倒的な数の違いから、成す術も無く一人、また一人と死んでいく。

やがてセンは息子ショウの死体を発見した。戦中であったが、それを見て棒立ちになり、後ろから胸を刺し貫かれた。

それでもセンは体を引きずりショウへと手を伸ばす。だがその手と手は触れ合う事無く、息絶えた。

やがてセン軍を皆殺しにしたトウガイは、その親子の様を見て、手と手をくっつけてやり祈った。


「ショカツセン親子が敗れました!トウガイ軍がこちらに向けて進んできます!」

「何でだ!ちゃんと遊んでいたのに!嘘付き占い師め!くっそう!」

「陛下、こうなれば降参しましょう。それが蜀の為です!」

「そうだな!良く言ってくれた!妙案だぞ!」

この哀れなやりとりと横で聞いたリュウシンは自宅へ向かった。


自宅では妻と、子が3人がおり、怯えていたが、先帝(リュウビ)の絵を見て

「この非礼は死んでお詫びをします!!!」

と叫ぶと、妻を殺し二人の子を殺し、残る子も

「死にたくありません!!」と震えながらに泣き叫んだが、リュウシンは涙ながらにこれも一突き。

その死体を見て涙を流し笑いながら、自分の首を貫いた。


やがてトウガイが成都の朝廷の前まで進軍すると、リュウゼンは両手を縛り、コウコウに押されて前に出た。

「降参致します」

隣のコウコウは

「この降参は私が勧めたのです。もはや手向かいは致しません」

と、平伏したが、

「蜀の蛆虫であるコウコウとは貴様か」

とトウガイはコウコウの5体を切り離した。


こうして成都は魏に落ちた。

キョウイも剣閣で僅かな手兵と奮闘していたが、それを戦っていたショウカイから聞くと剣を投げ出し降状した。


リュウビがコウメイの説得により建国した蜀は40年あまりで滅んだ。


蜀を取り込んだ魏は巨大な力を持ち、それは呉に向けられる。

この頃、魏の支配者だったシバショウも死に、その子であるシバエンが跡を継いだが、ソウホウから帝位を奪い、

国号を晋とした。


その晋が呉へ兵を出すと、多少の応戦もあったが、朝廷内の跡目争いは耐える事無く続き、あっけなく滅んだ。


こうして三国時代は終わりを向かえた。




この少し前、蜀が滅んだ直後、成都で降参したリュウゼンの一族は洛陽に呼ばれており、シバショウの持て成しを受けていた。

元蜀の官は国が滅んでしまった悲しさで溢れ、酒の席で涙を零す者もいたが、リュウゼンは踊り子を見て酒を飲んでいた。

それを見てシバショウが、リュウゼンに語りかけた。

「リュウゼン殿。蜀がお懐かしゅうござろうの」

「あ、いえいえ。お持て成しが楽しく忘れていました。あはははは」

「・・・だが、蜀にはリュウビ殿の霊廟があるでしょう」

「ん、そういえばそうでしたな。あはははは」

これに、リュウゼン以外の魏・元蜀の全員が凍りついた。


シバショウは隣の側近に話した。

「こんな奴が帝だったとは。これではキョウイは元よりコウメイが居たとしても国を全うする事など出来ないだろう。

こいつは適当に飼い殺しておけ」

そう言うと、案楽公の爵位を与えた。何の実権も無い名前だけの爵位である。


リュウビがカンウとチョウヒと誓いを結び蜀の基盤を作り上げ、コウメイが心血を注ぎ、チョウウンが駆け抜け

カンペイが、コウチュウが、バチョウが、チョウホウが、カンコウが、さらにはビケイまでもが命を掛けて守ってきたものが

案 楽 公 の揶揄を用いた3文字を持って終わったのである。


これを伝え聞いたキョウイは天を仰ぎ、リケイは身も世も無く泣き続けた。



キョウイは蜀で最後まで戦った武将であったが、その力と人徳と知恵に敬意を表し、魏の将として迎えられていた。

キョウイ62歳。リケイ60歳。

リケイと共に漢中の屋敷に住んでいたが、カンチュウを呼んだ。

カンチュウは官には付かず、学者として生きていた。

カンウとカンペイが死んだ頃は赤子であったが、この時47歳。

キョウイからコウメイの書いた24冊の本を渡された。

「兵はキ道なり、というが、コウメイ先生は兵は常道なりと言っている」

「常道・・・ですか」

「カンチュウ殿の学問とは畑違いかもしれんが、その常道を突き詰めていくと、人の心理に辿り着くような気がする」

「兵は常道・・・」

「政は覇道を持って行なうが、それ故のキ道だ。だが、政を王道を持って行なえば常道に達する」

「戦をせず、畑に向かう事が、人のあるべき姿だと・・・」

「コウメイ先生もそう言っていたし、リュウビ先生もそうだったという。それを行なっていたのはこのリケイの祖父だ」

「王道・・・」

「まぁ、時間がある時にでも読んでくれ。明日、私達は出かける。何しろ二人ともこの年だ、何があるか分からん」

「はぁ・・・お気をつけて」

その後はキョウイとリケイ、カンチュウで飲み語らった。

普段は大人しいリケイも声を上げて笑っていた。



翌日、コウメイの墓の隣には遺体が2つ並んだ。


長い長い中国の歴史の中で、三国の時代は僅か30年あまり。

三国と言わずとも黄巾の乱から呉の滅亡まででも100年あまり。

この長い歴史の中では、一時の夢だったかのような。一吹きの風のような時代の話でございました。



終わりwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

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