そろそろ本気で終わりが見えてきたので少しでも繋がりを大切にしようと願う性騎士のブログです!
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リュウビ軍が益州から軍を進め、漢中を目前にリュウビ軍は止まった。

漢中を守るソウソウ軍は10万。対してリュウビ軍は5万であり、平面勝負では勝ち目がなかった。

その為、コウメイは漢中攻略の為に策を講じた。


カンペイとコウチュウは二人で歩いていた。

「親父様、そんなに薪を持っては歩けぬでしょう。ちょっと寄越しなされ」

「何を言うか、婿殿め!そう侮辱されては益々負けるわけにはいかんわい」

等と本気とも冗談とも知れぬ会話をしながらカボウカンと呼ばれる関に入っていった。

夜になり、視界が悪くなった所を内側から衛兵を殺し、門を空け漢中へと乗り込む作戦であった。

リュウビがいない為、強行策に出れるのは強みであった。


そんな二人がゆっくりと歩いていた。

するとカンペイの服を引っ張る子供がいた。

「やあ、叔父さんがカンペイさんか?」

カンペイとコウチュウはハッとした。

「おいおい、いきなり袖を引っ張るヤツがあるか。警戒されて、剣で斬られるぞ」

そう言うとホウヨウが後ろからやってきて口を挟んだ。

ホウヨウは元軍師のクセで、この周辺の武将の顔は大抵把握しているのだった。

ただ、このカンペイとコウチュウも野良着を着ているので確証は持っていなかった。

「実はな、この子供は天水から来ているのだ。姉と一緒にな。姉はカンヨウと言う。

だが、姉はここへ来る途中に餓死して死んでしまった。そこでオレがこの子供を

連れて来たのだ。どうやらカンペイ殿の親戚らしいのだが、お主はカンペイ将軍ではないかな?」

白々しい言い様だった。

「は・・・いえ、私はトウスウと申します。この父上と薪を拾って漢中に帰る所でありました」

「なんだ。叔父さんはカンペイさんでは無いのか」

「そうかそうか、それは済まなかった。考えてみればここはソウソウ軍の領土だ。カンペイ将軍がいるわけ

無かったのう。あいや、失礼した」

「は・・・はぁ」

「どれ、カンコウ、もう少し南だ。そこにリュウビ軍は来ていようからの。そこにカンペイ将軍はいるだろうて」

「本当かぁ?」

「あぁ。それより急ぐぞカンコウ。兵数ではリュウビ軍は勝てぬと見て奇計を巡らせているだろう。

恐らく既にカボウカンに入り込み、夜にでも門を抉じ開けてここは戦場になる。怪我をしてもつまらんからな。

走って逃げるぞ!」

「あ、おい待てジジイ!」

そう言ってホウヨウとカンコウは南に向かって走っていった。


カンペイとコウチュウは青ざめていた。

「驚きました・・・我が方の策が読まれています・・・」

「あぁ・・・だが、ソウソウ軍の者でもなさそうだな」

「・・・はい」

「ところでさっきの男が言っておったのは・・・?」

「・・・はい。カンヨウは私の従姉妹でございます」

「そうであったか」

「ですが、今は作戦中の為、知らぬフリをしました。この戦が終わればカンヨウ殿を供養し

あの子を引き取ろうと思います」

「良く言った。それでこそ婿殿じゃ。それ、もうじき夜になるぞ」


夜になり、暗くなった所へカンペイとコウチュウは左右から衛兵を殺し、門を開けた。

そこへチョウヒ率いる騎馬隊がなだれ込み、カボウカンに火を放った。

カボウカンは数名の者しか守っていなかった為、チョウヒを見るだけで逃げ出した。


本体と合流したカンペイ達は、不審な男に策が読まれていた事を報告した。

と、そんな陣に、その男が急遽現れた。

「おやおや、済まんの。警備が甘いもので抜けさせてもらったぞ」

「!」

「あぁ、先ほどの!」

「おお、やはりお主はカンペイ殿であったか。ほれ、カンコウ言った通りだろ」

「おう。ワシはカンコウというのだ」

と、カンペイの膝を摘んだ。

「先ほど、作戦中ゆえ、知らぬフリをしてしまいました」

「いや、気にするな。オレだって知っていて話掛けたのだ」

とホウヨウは笑いながら答えた。

そこでコウメイは気が付いた。

「あぁ、ホウヨウ殿ではないですか」

「む。あぁ、コウメイ殿か。カボウカン攻略おめでとう。と言っておくかの」

「は・・・。それよりもホウヨウ殿、改めて伺いたいのですが、皇叔にお仕え頂けませんか?」

「いやいやいや、もう官使えは疲れたわい。流浪の身が一番じゃ」

「そうですか・・・」

「それよりも漢中には10万の兵あり、将もソウジンとキョチョが守っている。まぁ頑張りなされ」

と、カンコウを振り返った。

「ではカンコウ、ワシはここらで消えるが、カンペイ将軍の言う事を良く聞くんだぞ」

「おお」

「それでは失礼する。あ。ちなみに陣の警備はもう少しきつくしなされ。それでは」

そう言うとホウヨウは闇に消えていった。

カンペイはカンコウに尋ねた。

「お主の姉は私の従姉妹であった。辛い思いをさせたな。他に頼る者がいなくて私の所に来たのであろう?」

「・・・そうじゃ」

「分かった。責任を持って私が預かろう。だが、私はこれから戦に入る。お主はこのまま、さらに南に行って

成都という所に行き、リュウビという人を頼りなさい。私の弟と言えば、きっと優しくしてくれるぞ」

「弟にしてくれるのか!」

「あぁ。いいとも。また会おう」

と、カンコウの頭を撫でた。そう言っていると物見が騒いだ。

「夜襲だぞー!遠くで火が動いている」

「数は!?」

「暗くてよく見えません」

と、そこに出て行った筈のカンコウが戻ってきていた。

「ワシは目が良く効くのじゃ。見てやる」

と、カンコウは木に登っていった。

「猿のような奴だな・・・」とカンペイは笑っていた。

やがてカンコウは

「右と左から30人くらいが来てる。みんな地を這うように動いておるぞ」

それを聞くとコウメイはチョウヒに言った。

「地を這ってるようなのでそのまま踏み潰して来て下さい」と笑いながら言った。

チョウヒが騎馬隊を連れて向かっていくと、夜襲に来た部隊は逆に奇襲を受け皆殺しにされた。

「いやはや、この闇でも遠目が利くとはの」

とチョウヒが笑っていたが、カンペイが

「カンコウ、お主、しばらくここにいろ。物見の役を任命してやるぞ」

「おお、それは偉いのか!?」

「いや・・・ああ・・・偉いぞ」

「えへへ」


翌日、リュウビ軍はカボウカンを抜け、漢中を目指した。

城に着くと城門は硬く閉ざされており、城壁の上には無数の弓隊が構えていた。

チョウヒは怒った。

「くそう、あれだけの兵がいて何で出てこないのだ!」

城の周囲には障害物も無い為、通常の進軍を命じた。

城壁に取り付き梯子をかけて城壁に上がりこみ、内側から門を開ける。

だが、城壁の兵士は物凄い数で、リュウビ軍は散々にやられてしまった。


「これは・・・参りましたね・・・」

とコウメイも手を組んでいたが、コウチュウが進言した。

「成都からゲンガンを呼んでくれ。ワシらが長弓で城壁の上のゴミ掃除をする」

そのまま命じられたゲンガンはすぐにチョウヒの陣にやってきた。

事情を聞いたゲンガンはコウチュウと長弓を持ち、城に迫っていった。

が、ほど遠くから力一杯に弓を放つと、城壁の兵が次々と倒れていく。

ソウソウ軍も負けじと弓を返すが全く届かなかった。

やがて城壁にいるのが恐ろしくなった兵は城内に逃げ込みそこへチョウヒが進軍を命じた。


それに気付いたソウソウ軍も梯子を落とそうと再び城壁に登るが、ジジイコンビの矢に討たれた。

チョウヒの兵が門内側に着いた頃、城門が開いた。が、そこにはキョチョが待ち構えていた。

それを見るやチョウヒは蛇矛を振り回しキョチョに向かっていった。

両者は打ち合いを始めたがチョウヒは

「貴様の兄貴分のテンイはウンチョウの兄者が殺した。だからお前はワシが殺してやる!」

「やってみろ!」

「どうした!そんなものか!」

「・・・」

「そらあああ」

それを見たコウチュウが、

「全く五月蝿い奴じゃ。黙ってやれんのか。あれだけ叫ばれたら誰だって逃げたくなるワイ」と口を溢した。


やがて分が悪いと感じたキョチョは馬を返し逃げ出した。

そこにチョウヒが号令を掛けると次々と城内へなだれ込んだ。

逃げ惑うソウソウ軍を蹴散らし、漢中制圧に成功したが、城外に逃げたソウソウ軍は程なく離れた所に布陣した。


そこにバチョウが手兵2万を持って駆けつけた。

「おお、早くも漢中を取り返すとは、さすがコウメイ殿だ」

「おお、バチョウ殿来てくれましたか」

「バチョウ、来たか。ああ!でもキョチョって奴はオレがやるから手を出すなよ」

「分かり申した。ではオレはソウジンの首を取ってこよう」

と、勢いに任せて2人の将が軍を進めると、キョチョはチョウヒに討たれ、ソウジンは命からがらバチョウの

槍を避け逃げ帰っていった。

ソウジン軍は漢中を10万で守っていたが、長安に帰れたのは1万にも満たなかった。

「これで、ソウソウ軍もしばらくは漢中を伺う事も無いでしょう」

コウメイはそう言って祝宴を挙げた。


やがてバチョウ・バタイ・ギエンに5万の兵を預けて、漢中を託し、軍・将は成都に引き上げて行った。


成都に帰り、カンペイがカンコウの事をリュウビに報告し、正式に弟となった。

この時カンコウは11歳。成都内のチョウヒの長男・チョウホウは12歳と年も近く、

また同年代の子に比べ2人は抜きん出て体が大きく、将来のリュウビ軍を背負う若者として皆に期待されていた。

ただ、カンコウとチョウホウはいつも二人で歩き回り、悪戯ばかりしており、教育が必要だとカンウのいる荊州に

送られた。それの引率にはカンペイ・コウチュウが付き添った。

この時、リュウビの子、阿斗は11歳となり、名を禅(ゼン)とされていた。

だが、リュウゼンは育ての親、面倒見の親がカンレン・ビケイ・レイホウ(ソンケンの妹)と次々と変わった為

人の言葉を何でも真に受けてしまい、心ここにあらず、と噂されていた。


また、益州攻略の際にリュウビはゴケイのいる屋敷を訪れており、ゴケイが学問を教えているという事を気に入り

リュウビ自身、何度も足を運んでおり、それがキッカケでゴケイを正室として迎えた。


このめでたい報告を、カンウは荊州で聞いた。

バリョウと共に、知恵を効かせ江南とソウソウ軍に対し守っていた為安泰だったが、

カンペイ・コウチュウまで加わった為、鉄壁となった。

それ以外にもフシジン・リョウカ・ビホウ・モウタツが荊州に加わり、荊州を伺う敵はいなかった。

ソウソウ軍と江南も度々戦っていたから、という事も重なっていた。


戦争も無く、1年が経つ頃・・・

カンコウとチョウホウはカンウの屋敷の裏に来ていた。

カンウの乗っている赤ト馬に興味深々だった。

「なぜ、あの馬はあんなに赤いのか」

「分からん」

「カンコウ、お前はすぐに分からんというな・・・」

「だって分からんもんは分からん」

「あの馬と俺たちはどっちが強いかな」

「勝負してみるか」

「おお」

そう言うと2人の悪ガキは小枝を持って赤ト馬に向かっていった。

赤ト馬は異様なまでに大きい馬だった為、小枝を気にもしていなかったが、それに気付いた男がいた。

カンウの世話係のリキンという男だった。

「こら!お前さんたち、何をするか!それはカンウ将軍の大事な赤ト馬だぞ!」

「む、うるさい奴だな。カンコウ、今度はこのジジが相手だ!」

「おう!」

そう言うと小枝をリキンに叩きつけていた。

「や、やめてくだされ」

「はははは」

そこにカンウが騒ぎを聞いてやってきた。

それを見るなり二人は悠々とカンウの前に立ち、

「おお、ヒゲのジジ、ワシらは大人に勝ったぞ!」

「そうだ!ワシらは大人より強いのじゃ」

と満面の笑みを浮かべていた。

だが、カンウは二人を殴り飛ばした。そしてリキンに聞いた。

「リキンよ、どうしたのだ」

「はい、お二人様が赤ト馬を枝で叩いておりましたので注意しましたら、私を・・・」

「そうか。・・・リキンよ、二人を池に放り込んでやれ」

「で、ですが・・・」

「構わん、やってくれ」

「はい」

そう言うとリキンは二人の服の首を掴むと池に放り投げた。

びっくりして急いで池から出ようとする二人を今度はカンウが放り投げた。

そして水面に浮かび上がった二人を見て怒鳴った。

「貴様らは弱い。分かったな!手出しをしてこないのを良い事に図に乗るなガキ共が!

この世は広いのだ。自分より強い奴がどれだけいるか分からんのだぞ!!」

そう言われた2人は目をまん丸にして、首だけ水面から出した状態で

「はい!」

と答えた。

「カンコウ、今日からお前はワシがビシビシ扱いてやるから覚悟しておけ!」

「はい!」

「してチョウホウ、お前は成都に返す。チョウヒにもビシビシ扱くように頼んでおくから覚悟するのだ!」

「はい!」


こうしてカンコウとチョウホウは父の元で武芸を厳しく教え込まれていった。

また成都にいたゲンガン・荊州にいたコウチュウにも弓を習い、12,3歳の若者は大きく成長していくのだった。



この平和な時間にリュウビと、ゴケイの間に2人の子が生まれた。(リュウエイ【劉永】・リュウリ【劉理】)

この時、ゴケイは40歳を越えていたが、当時では大変珍しく大業と評された。

また、カンペイとシュウレイの間に新しい命が宿った。カンウとコウチュウの喜びはこの上なく

何度も酒を飲み交わしていた。


そんな折に、成都に急報が入った。

ソウジンを総大将とした軍が漢中に向かったのだった。

「数は!?」

「30万を越えているとの事です・・・」

「30・・・・」

リュウビ軍は荊州・南郡を含め、全体でも20万弱。

未だ成都の南、南蛮の脅威は消えず、江南にも動きが出ていた。


だが、コウメイは一人だけ表情が曇っていた。

ソウジンの副将、シバイという初めて聞く人物を必死に描いていた。

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