そろそろ本気で終わりが見えてきたので少しでも繋がりを大切にしようと願う性騎士のブログです!
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ソウソウ軍が迫ってくるのは明白であったが、エンショウ軍の粘りにより、中々兵を出せずにいた。

そんな折、リュウビの第一婦人であるカンレンが男の子を出産した。その翌日にはチョウヒの妻の

キョウテイが第2子の女の子を産み、敵が攻めてくるというのに、人々は、ひと時の幸せ感じていた。

カンレンが産む前日に北斗七星を飲み込む夢を見た事から「阿斗」と幼名を名づけた。

それから半年も過ぎようかという頃であった。


カコウトンが10万の兵をまとめて進軍を開始、宛城を出発した。

これはすぐさま、新野に報告された。

「10万・・・」

コウメイもこれには驚きを隠せなかった。エンショウとの対決をしている最中、これだけの

兵を向けてくるとは思わなかったのである。ただ、焦りは無かった。

「殿、いまや天下3分の計を実行せねばならなくなりました。カコウトンが10万の兵を連れて新野に

迫っています。襄陽も内乱中とは聞いていますが、まだソウソウ軍と対峙するよりはマシな筈です。

覚悟を決めて下さい」

「あぁ・・・分かっている」

「では、今回の策を伝えます」と言うとリュウビに全将を集めさせた。

策とは、新野そのものを空城の計として使用・足止めをし、その隙に襄陽へ入るというものだった。

それでリュウビ軍3万と武将達は襄陽へ着き、場合によっては襄陽の軍とも戦わなければならない。

もしこれに失敗すれば再び散り散り・もしくは死ぬ事は明らかだった。

全軍で新野に仕掛けを施した。落とし穴を掘り、家という家に火薬を仕掛け、急いで出て行ったように

見せるために旗等を立てた。

準備が終わり、彼方にソウソウ軍を見ると新野の軍は行動を開始した。ところが思いがけ無い事に

新野の軍に民までが着いてきたのだった。コウメイは説得し、連れて行けない事を説明しようとしたが

リュウビはコウメイに縋りつき、何とか一緒に逃げたいと言った。

これでは足が遅くなり、全員が危険にさらされる・・・。だが、立ち止まり考える余裕は無く、急いで

足を進めた。


カコウトン軍が、ソウジンの敗戦から学び慎重に軍を進め新野に着いた頃。数える程の民間人がいるだけだった。

1割程の軍を残し、リュウビの追撃に向うが、落とし穴にはまり、井戸に落ち、さらには各地で火の手があがり

大混乱に陥った。民間人に化けた決死の兵の火計だった。

火を消しとめ、被害状況を確認する頃には日が過ぎていた。

3万人以上の死者が出たため、追撃出来ずに新野で本体を待つしかなかった。


リュウビ軍が襄陽に着いた頃、襄陽の門は硬く閉ざされていた。

カンウが前に出て開門を願い出ると、城壁からサイボウが現れた。

「来たな!逆賊め!ここに何しにきた!」

「逆賊だと!それよりもリュウヒョウ殿はどうした!」

「とっくに死んだわ!今はリュウソウ様の城じゃ!さっさと消えろ!でないと矢の雨を降らすぞ!」

これも予想外の出来事だった。リュウビが前に出た。

「せめて、新野の民だけでも襄陽に入れてやってくれ。私達の軍とは一切関係ないのだ!」

「ならんならん!さっさと行け!」

と言うと、弓を番えた兵たちが姿を現した。

「兄者、退こう」と言ってリュウビの馬をカンウが引いた。


矢の届かぬ所まで下がり、工作兵から詳細を聞いた。

リュウヒョウは、死ぬ間際に第1子であるリュウキを跡継ぎと決め、この世を去ったが、そこに立ち会った

サイボウはリュウヒョウの死を隠し、また遺言状も書き直し、第2子であるリュウソウつまりサイボウの甥を

当主とした。これをサイボウの独断と見抜いたリュウヒョウの臣下と争いになったが、サイボウに軍配があがり、

そのままソウソウ軍に降ったのだった。また敗軍の将と第1子リュウキは江夏に落ちていったという。


「リュウヒョウどの・・・」

コウメイはやや考えていたが、

「こうなれば、江夏を頼るしかないでしょう」

「江夏・・・・」リュウビは表情が曇った。あまりにも遠すぎるのだ。


そう言っていると、遥か後方にソウソウ軍が見えた。

民は混乱したが、リュウビが「我らはこれより江夏へ向う!士ある者は続け!」と偈した。

こうして20万人の大移動は、新野から襄陽、さらに江夏へと続いた。


江夏へ行く為に、カンウとカンペイが使者となり先駆け、可能であれば援軍を出してもらう事にした。

チョウヒは兵1万を持って後方に向かい、ソウソウ軍を食い止め、チョウウンはカンレン・ビケイ、とりわけ

阿斗の護衛に付いた。

やがてソウソウ軍の本体が新野で合流し、雪崩のように後方のチョウヒ軍とぶつかった。

50万近い先方とぶつかり、一瞬で壊滅した。

本体と合わせるとソウソウ軍の数は数え切れず、ソウソウの執念が伺えた。

また、リュウビの首と阿斗に莫大な金が掛けられ、ソウソウ軍の兵も必死で追いかけた。


リュウビはコウメイ、ビジクと共に集団の先頭を走っていた。

食料も乏しかったが、リキュウが山から栗などを拾って来てくれたので食うには困らなかったが、

後方から聞こえる民の悲鳴は如何ともしがたく、耳を塞ぎたい思いであった。

殿(しんがり)を務めたチョウヒ軍は壊滅したものの、側近の精鋭騎馬隊を連れ、リュウビの元に追いついた。

そこでリュウビの無事を確認すると、大きな橋にぶつかった。この橋を通らねば相当な回り道をしなければ江夏に

向かう事は出来ず、チョウヒは精鋭と共にそこに留まり、新野の人々の通過を見守った。

民は山を通過し川を越え野という野を走り逃げたが、ソウソウ軍に見つかれば殺された。


チョウウンは奥方の護衛にあたっていたが、阿斗の居るせいもあり足は遅かった。

それでも山に身を隠し、追っ手を巻きながら何とか逃げ延びていた。

途中、カンレンは心身共に限界が来たため、側近に抱えられ、阿斗はビケイが持ち必死で走った。

やがて、一向は先回りしているソウソウ軍を発見し林に隠れた。

馬には馬具を付けていた為、鳴く事は無いが、怖いのは赤子だった。それまでビケイの懸命のあやしにより

泣かずにいたが、やがて周囲の人の緊張を感じ取ったのか、火を付けた様に泣き始めてしまった。

これを見たチョウウンが

「もはやこれまで!お前ら、死んでも守れ!」

と、側近に檄すると槍を構え、敵軍にぶつかっていった。


敵を突いて突いて突きまくり、チョウウンは鬼のように暴れまわった。

やがて最後の一兵を突き、精魂使い果たしたチョウウンはその場にどうと倒れた。

血まみれではあったが、手負いは殆ど無かった。

周囲は静かであった。阿斗は逃げられたのか、カンレンは・・・ビケイどの!

思いを馳せ、チョウウンは死力を尽くし立ち上がった。

周囲で戦っている気配もなく、部下の姿も全く無かった。

そこにはぐれた愛馬・飛竜がやってきたのでそれによりかかり跨ると叫びながら探索を開始した。

「阿斗君ー!奥方様ー!ビケイ殿ー!」

全く返事も無く、どうしようも無い不安に刈られたが、それでも探さずにいられなかった。


ビケイは阿斗を抱え必死に東を目指し駆け回った。

途中でカンレンともはぐれ、チョウウンの部下ともはぐれ、一人で必死に逃げ回った。

阿斗が泣き止もうともしないのだ。

その声を目指して次々とソウソウ軍が追いかけてくる。

すると山小屋があったのでそこに身を隠し、阿斗を泣き止ませようとした。

これが止まねば、どの道助からないのだ。

ビケイは汗だくで顔も泥だらけだったが懸命に笑いかけ、阿斗もそれを見ると落ち着きを取り戻し

ビケイはほっとした。

だが、

「いたぞ!赤ん坊だ!」

といつの間にかソウソウ軍に囲まれていた。

観念したビケイは阿斗を小屋に隠し、クナイで応戦したが倒しても倒しても次々と敵が迫ってくる。

やがてクナイも切れ、死体から剣を剥ぎ取り奮戦した。

この時、頭にはリュウビとの思い出が駆け回り、涙で視界も滲んできたがそれでも戦い続け、

見て取れる最後の敵を切り殺すと倒れこんだ。

肩と太ももを貫かれており、夥しい量の血が噴出していた。

何とか立ち上がろうと井戸にもたれ掛かったが精魂尽き果て、意識を失った。


そこへチョウウンが辿り着いた。

「ビケイ殿!」

「あぁ、チョウウン様・・・」

顔は土色に変わっており、ビケイの傷を見てチョウウンは愕然とした。

全身泥まみれ・血まみれだったがまさに天女のような美しさだった。

「阿斗様は小屋の中にいます」

それを聞いたチョウウンは小屋に入り阿斗を抱きかかえた。

表に出るとビケイが井戸に身を投げようとしている。

「何をしている!」

阿斗が泣き始めた。

「死んで、敵に辱めを受けたくありません。行かせて下さい」

「ならん!ビケイどの!そなたがいないこの世など考えられんのだ!」

チョウウンは初めて想いを伝えた。

その時、後方から

「赤子の泣き声だぞ」

と声が聞こえた。振り向いたチョウウンは阿斗を抱えたまま槍で応戦した。

「貴様らが変わりに地獄へ行け!」

5人の敵兵は5回の突きで倒れ、ビケイを振り返ればもう上半身は見えないほど井戸に入っていた。

「ビケイ殿!」

手を伸ばしたが既に遅く、ビケイは奈落へと落ちていった。

「ビケイ殿・・・」

そう言うとチョウウンは隣の石壁を力任せに倒すと、井戸を埋めた。

そうして飛竜に跨り阿斗を片手に抱いたまま、ビケイに対し心の中で手を合わせた。


チョウウンが初めて人を愛し、想ってはならぬ人を想い続けたが、その美しい人の最後を見て鬼に摂り付かれた。

先ほどの掛け声に敵兵が次々と現れるが全て有無を言わさずに殺した。

血の涙を流しながら、東に駆け、出会う敵は全て突きまくり、チョウウンの綺麗な白の鎧も白色の馬も

返り血で真っ赤に染まっていた。

チョウウンは弔い合戦の如く、視界に入るソウソウ軍を全て薙ぎ倒した。


やがてチョウヒの守る橋、長坂橋に着いた時、チョウヒに声を掛けられ我を取り戻した。

「おう、チョウウン!あ、お前、阿斗君はどうした!」

「あ・・・こちらに・・・」

と左腕を差し出すと阿斗は眠っていた。

「おお。無事か。兄者は既にこの橋を渡った。姉上もさっき従者に連れられて渡ったぞ。ん。

跳ね返り娘の姉上はどうした」

「・・・阿斗様を守り・・・死にました」

「なんだと!!!!チョウウン、阿斗君を連れて早く兄者の所に行け。ここはワシが食い止める」

「・・・いえ」

そう言うとチョウウンはチョウヒの部下に阿斗を預け

「そなた、阿斗君を任せたぞ」

と言うとチョウヒの横に立った。

「姉上の弔いでございます」

と言うと

「それでこそ、俺の弟子だ!行って来い!」

それを聞くと再び涙を流し鬼を纏い再び戦場へ戻っていった。


真っ赤なチョウウンの獅子奮迅の切り込みでソウソウ軍も慌てた。

地獄のようなチョウウンの追撃をなんとか避けたソウソウ軍は橋に着くと、今度はチョウヒが仁王立ちをしていた。

大勢で切り込む事が出来ず、5人程で切りかかるが一撃で薙ぎ倒され、チョウヒの姿を見て戦意を喪失していった。


そこにソウソウ軍本体が大量の兵を連れて行き、チョウウンの追撃をかわし、橋に辿り着いた。

チョウヒを見て、ソウソウ周囲の将が次々と一騎打ちに出るが、全て殺されてしまった。

その気迫は圧倒的でソウソウ軍は浮き足立ってしまった。

「次!さっさと掛かって来い!」

とチョウヒが叫ぶと、馬上のソウソウも慌て馬から落ちてしまった。


これを見たソウソウは橋からの追撃を諦め迂回し始めた。

それを見たチョウヒは部下に橋を渡らせて橋を切り落とし、単騎でソウソウ軍の追撃に出た。


やがてチョウウンもチョウヒも頃合を見て東に退却していった。


リュウビ本体を見つけ、ずっと追い続けた軍勢ももう少しで集団に追いつくという頃、突如大量の矢を射られた。

矢の方向を見れば、金の鎧をまとった若武者が指揮をしていた。リュウキであった。

「病弱だと聞いていたが、なんと凛々しい若者であろうか」

リュウビは微笑ましい思いでそれを見つめていたが、矢の雨を抜けた敵軍が目の前まで迫ってきた。

すると、逆から疾風が駆け抜け、その敵勢を踏み倒していった。

カンウとカンペイは騎馬隊を率い、リュウビに挨拶する事も無く遥か後方の戦場へ駆けて行った。


やがてリュウキの用意してくれた大量の船に次々に乗り込み、江夏へと入っていった。

リュウビとビジクが船を指揮し往復させ、次々と新野の軍・官・民を運び出したのだった。

側近に支えられた妻のカンレンを送り、やがて阿斗も送り、子2人を連れたキョウテイを送り、

新野から走り続けた大群は江夏へ逃げ切った。

新野の軍は壊滅状態だったが、将は殆どが無事であり、ビケイの知らせを聞くとカンレンは泣き崩れ

リュウビは空を仰いだ。


ソウソウは総勢100万の大群を用意したが、とうとうリュウビを討ち取ることは敵わず、襄陽へと

退却していった。そこでサイボウを襄陽の太守とし、水軍都督の官位を送ると、自身は都へと帰っていった。


江夏で、亡くなった人々を追悼し、落ち着いた頃リュウキを筆頭に会議を行った。

が、リュウキは自身の不徳を嘆き、リュウビに江夏の太守となるように勧めた。

リュウビはこれを拒否しようとしたが、コウメイに睨まれ、コウメイがその意を受け入れた。

江夏には立派な城はあったが、多くの兵を養うだけの土地は無かったため、襄陽を奪う事を第一目標とし

コウメイは懸命に働いた。

だが、この大移動での被害は大きく、リュウビの再起を望むのは難しかった。


それを読んだソウソウは軍を江南に向けて出発させた。

エンショウとの対決も、エンショウの死から跡継ぎ問題で内乱が起こり、

以降は抗うまでも無くソウソウ軍に飲み込まれていった。

後顧の憂いを断ったソウソウは、襄陽のサイボウ率いる水軍を筆頭に、大規模な江南攻めを開始した。


それを聞いたコウメイはリュウビに告げた。

「これは好機です。今こそ江南のソンケン(孫権)と同盟を組み、ソウソウ軍を打ち破り、

そのソウソウ軍の弱みに付け込み、襄陽を取りましょう。3分の計はここから始まります」

「だが、私は先々代のソンケン(孫堅)殿と連合軍の時に知己になったが、その子らとは面識もない」

「江南には私の兄上がいます。そこから取り入り、殿と江南の同盟を取り付け、ソウソウ軍を破ってみせます」

「どうするのだ」

「私を江南に送って下さい。しばらくは帰れぬでしょうが・・・ソウソウも江夏へ兵を向ける余裕は無い筈です」

「分かった。頼んだぞ・・・」


こうして単身でコウメイは江南に乗り込んだ。

江南では、赤壁と呼ばれる黄河の北側に位置する拠点にソウソウが100万の軍を集めたという話を聞き

武官の戦闘派と文官の降参派の真っ二つに意見が別れていた。

戦闘派の筆頭はシュウユと呼ばれる将軍であり、先代のソンサクの義兄弟でもあり重臣だった。

対する降参派の筆頭はチョウショウといい、これも先々代から続く江南を支えてきた重臣だった。

コウメイの兄、ショカツキン(諸葛謹)は文官であり降参派の上層部にいた。


毎夜、口論がソンケンの前で繰り返され、無駄に時間だけを費やしていたが、そんな真っ只中にコウメイが到着した。

コウメイはソンケンを見て、これは敵にした時は容易ならざる相手と確信した。

容貌は、顔が角ばり、ヒゲは紫色で目は青く、その瞳はひたすらに前だけを見据えるような力強い光を持っていた。

「おお、コウメイ殿、よく来てくれた。皇叔殿は必死にソウソウ軍から逃げられたそうだが、元気かな」

と言えば、文官達は笑った。が、気にも留めず

「はい。100万という大群に成す術無く逃げ延びました」

と言えば、江南の将達、とりわけ文官派は大いに笑った。

「黙れ!お前達!客人に対して無礼であろう!」とソンケンが一括すると静けさを取り戻した。

やがて話題は、ソウソウに対しての話題になり、コウメイはその後、話を聞くだけで何も言わなかった。

その夜、兄のショカツキンの所に行き、再開を懐かしんだ。兄はしきりに江南への勧誘をしたが取り合わなかった。

次の日もコウメイは会議に参加させてもらったが、その晩、ソンケンに極秘に呼ばれた。

「毎夜、見苦しい所を見せてしまってすまぬ」

「は・・・いえ・・・・」

「私の心は決まっている。亡き父上と兄上の意思を引きついでソウソウと雌雄を決するつもりだ・・・が、

こう意見が別れてしまっては軍の力も発揮出来ぬ。どうしたものか・・・」

「・・・」

「今、リュウビ殿は苦しい状況であろう。だからお主がここに来て私に力を貸し、ソウソウに対し一矢報いたい・・。

違うかな?」

「・・・その通りです」

「そうであろう。だが江南もこれではな・・・。何か意見をまとめる良い方法は無いであろうか」

「あります」

「なんと!どうすればいいのだ!?」

「明日の会議にまた参加させて下さい。その場で戦闘派一色にしてみせましょう」

そう言うとコウメイは出ていった。


翌日の会議、再び武官文官で論争が起こると、コウメイは席を立ち、諸将の前に出て話し出した。

「ソウソウ軍は、100万と言っていますが、新野から江夏にかけて10万は討ち取っています。また、

ソウソウ軍は陸戦なれば百戦練磨ですが、海戦ではそうもいかず、船の上で病に倒れるでしょう。さらに

水軍も先日ソウソウ軍に取り入ったサイボウが指揮していますが、日は浅くまだ稚児のような水軍です。

これはサイボウを奇計によってその任を解かせれば良い話ですが、こうして無駄な会議をしている内に

訓練を重ね、立派な水軍となり、数の上では江南を遥かに凌ぎ、大きな脅威となるでしょう」

「コウメイ殿!そなたはケンカを売りにきたのか!」と文官が騒ぎ立てるが意に介せず、

「ただ、この戦争を避ける方法があります。たった二人の人を送ればソウソウは喜んで兵を退くでしょう」

「誰を送ると言うのだ!」

「ソウソウの第3子、ソウショクがある詩を読んでいます。その中に、都:許昌に銅雀台という立派な湖のある

建物がありますが、それは表向きで、実は水軍の練習用の場となっています。詩の中には、その湖に2橋を並べ

酒を飲む。これ美なるかな、という文があります。その2橋とは・・・誰でしょうか」

「待て!コウメイ殿!」

そう言ったのは武官派筆頭のシュウユだった。

「お主はその2橋が誰か分からぬのか!」

「はい。・・・ただ、この世の者とは思えぬ美しい女性だとしか」

「だまれ!その内の一人はワシの妻だ。もう一人は亡き先代ソンサク殿の妻だぞ!無礼にも程がある!」

「それは失礼しました。ただ、降参する場合はその条件が必須だと、ただそれだけにございます」


もちろん、コウメイは2人の妻という事は知っていたが、これで降参派は先代を蔑ろにするという印象を植えたのだった。

また、これにより武官は好色を取り、文官はもはや降参しようとは思えなくなっていた。


「そうであれば、もはや意見が別れる事も無いでしょう。如何なものか」

そう言ってコウメイは文官達を睨みつけ、ソンケンを仰いだ。

ソンケンは黙って聞いていたが、目を開くと、立ち上がり様に剣で自分の机を真っ二つに割った。

「以後、ソウソウに和を唱える者はこの机のようになる!江夏と同盟の上、ソウソウを討つ!」

そう言うとソンケンは出て行った。


華麗な剣さばき、無駄の無い動き、コウメイはソンケンを心から恐れた。


その夜、コウメイはソンケンとシュウユに呼ばれていた。

「いや、コウメイ殿のお陰で江南は一つにまとまった気がする。礼を言う」

「いえ、ソウソウなど江南の力であれば楽に打ち破る事が出来ましょう」

「そうかな。此度の戦はこのシュウユが総大将となる。力を合わせてソウソウを打ち破ってくれ」

こうして、コウメイとシュウユは何度も会議を繰り返し、ソウソウ軍との戦に備えた。


ソウソウ軍の間者であるショウカンはシュウユの旧友という理由で江南に来たが、それは見抜いており

サイボウと内通しているという偽の文を盗ませて赤壁に返した。それを見たソウソウは激怒し、サイボウを

切り殺した。

また、コウメイの呼びかけでホウトウ、シバキにして炎と呼ばれた人物を呼び寄せた。

ホウトウにはソウソウに仕官する振りをさせ、ソウソウ軍の船を悉く鉄で繋げ、船上でも陸の上が如く

動き回れる策を与えた。こうして船酔いの亡くなったソウソウは喜んだ。が、ホウトウは仕官にあたり

大事な書物を取ってくると言って黄河を南に渡ると、そのまま消えた。

ソウソウ軍は水軍都督がおらず不安にもなったが、船酔いの恐怖が消え、もはや勝利は目前と意気込んでいた。

また、この時期、冬の風は北西からの風ばかりの為、火攻めを行っても焼けるのは風下の江南軍だった。

だが、コウメイは地元の猟師から季節風で東南の風が一日だけ吹く事を聞いていた為、火攻めを持ってソウソウ軍を

破ろうと決めていたのだった。こうすれば全ての船を繋いでいる水軍は、鉄を外している内に灰に変わる。

最後に、江南の重臣であるコウガイ将軍に偽の投降をさせ、その投降の際にソウソウ軍の船に火を付ける作戦を

与えた。

このコウメイ・シュウユ・ホウトウの知略、火による大作戦で赤壁はその名の通り、大火を呼び

無敵のソウソウ軍をほぼ壊滅に追いやった。


シュウユはこの作戦が終わる頃に、コウメイの偉大さを恐れ、部下に暗殺を命じたが、

既にコウメイの姿はどこにも無かった。

江南の軍は次々と北上し、ソウソウ軍を地の果てまで追い立てていった。


この時、ソウソウ軍を追討すべく江夏からもリュウビ達が軍を進めたが、合流したコウメイに止められた。

このままソウソウを討ってしまえば、江南が大きく伸し上り、天下を取ってしまうような勢いであった為であった。

その考えがあった為にコウメイはカンウだけにソウソウを追いかけさせた。


カンウがコウメイに指示された所で待ち伏せていると、ソウソウが僅かな手兵だけに囲まれてそこに出てきた。

どの兵を見てもぼろぼろで武器も持っていなく、ソウソウも傷だらけであった。

その待ち伏せを見たソウソウは、馬を降り、天を仰いで涙を流し、観念した。

だが、カンウはかつて、徐州陥落の際の事を理由にソウソウを逃がした。

これもコウメイが予想しており、江南と同盟しているだけに兵を出さぬ事も出来ず、またソウソウを逃がす為の

作戦の内だった。

また敗戦を聞いて援軍を送った襄陽は手薄になり、そこへチョウヒ・チョウウンの率いる軍の奇襲にて襄陽を奪った。


こうしてソウソウの天下統一をかけた軍は敗北し退散、江南も北上しきれず、赤壁の戦いは幕を閉じた。

これまで敗戦ばかり続いていたリュウビが、今まさに天下に羽ばたこうとしていた。



※ごめんww赤壁の戦いはもっと細かい事があったけど簡略致しましたww

確か、映画:レッドクリフ?で赤壁の戦いを描いていたのでそれを見てちょww
コメント
この記事へのコメント
前に言ってたとおり恐ろしい程の省略だなww
赤壁って、三国志の上でも五丈原と並んで有名な戦いなのにww

この三国志だと、権はなんだか憮然としてかっこいいねぇ。
俺の知ってるのは、権は手腕は親父と兄貴にも劣らないけど、自信が足りなくて降伏しようか戦おうか迷って情けない感じだよw

長坂と赤壁のちょっとした補足。
長坂(正確には博望坡)での趙雲の単騎駆けと張飛の橋での一喝は有名だね。この時、趙雲は曹操が大事にしてる二刀の名刀(イテンのカンケンとセイコウのカンケン)のうちの一本(セイコウの方)を持ってる部下をたまたま発見して奪ってるんだよw
赤壁での黄蓋を使っての策は日本でも「苦肉の策」として有名だね。
この時に戦の為の矢が足りないって事で、矢の補充をどうしようかってところで、船を2~3艘だしてそれにわら人形と木の盾をおいて敵から矢を回収するというシーンは孔明の頭脳の良さを示すエピソードだね。
ホウトウは、この時全福という名前で母親を人質に取られて曹操に嫌々仕えてたけど、心は劉備に仕えてるとして劉備軍や孫権軍の動きを見ただけで孔明の動きを予測して内部から曹操軍を崩すという影の功労者として動いていた。
流石「臥龍」と並んで「鳳雛」と称されるだけあるねw
2011/04/21(木) 23:47 | URL | 冷麺 #-[ 編集]
>めんw

確かに面白い程よく簡略化されてるでしょw

でもシュウユが頑張ってるのにコウメイはその先を行っちゃってシュウユに哀れんで簡略化したのさw

と、しておこうw

しかし、漢字拾うのめんどうwwww

ちなみに、俺は大逃亡の話が好きで、嫌いなので力入れて書いたんだw

微妙だけど。。。
2011/04/22(金) 00:38 | URL | まる #-[ 編集]
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