そろそろ本気で終わりが見えてきたので少しでも繋がりを大切にしようと願う性騎士のブログです!
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長安。

ロショクとリュウビを送り出した翌日、チョウセンは町へ出かけていた。

牡丹の株を買ってきたのでキョウテイと庭に埋めたのだった。

「これが咲くのが早いか、ゲントク様が来てくれるのが早いか・・・」

そう考えると一人、頬を赤らめるのだった。

キョウテイはその様子を微笑ましく思っていた。


キョウテイは元は奴婢として売られていた。

店先に並んでいたが、女は体力的にも使えない事から売れ残り最終的には殺されるかあるいは・・・。

そこにオウヒツを連れたオウインが通り、オウヒツがキョウテイを見ると放っておけないと

泣きじゃくり、オウインはキョウテイを買いそれ以来オウヒツの侍女として仕えさせていた。

当初、キョウテイは、同じ女で同じ年頃なのに何故こんなに人生が違うのかと恨んでいたが

やがてオウヒツの姉妹のような振る舞いと、オウインの優しさに触れ、その恨みも消えていた。


オウヒツが牡丹を植え終わり屋敷に入ると、オウインが宮廷から帰って来た。

そして頭を抱え込み、何を話す事も無く部屋に閉じこもってしまった。

かと思えば、嘔吐する音が聞こえやがて、泣き声に変わった。


トウタクの悪趣味な遊びを、また見てきたのだろう。そうオウヒツは思った。


トウタクは酒の肴に、黄巾族の残党を牢から出しては手足を切り払い死に行く様を見るのが好きだった。

オウインも見たくは無かったが、帝の前でそれを行なう為、帝を一人にする事も出来なかった。

だが、誰がトウタクを止められようか。もはや諸国が集まろうとも討伐出来ない絶対の王なのだ。


帝はオウインの親戚であり、オウインがここまで権力を持っているのもそのお陰だった。

つまり、その娘であるオウヒツも帝の親戚にあたる。


オウヒツは、その父の悲痛な姿を見るたびに思う。

「私が男であれば・・・」

そうすれば官仕えを父に代わり、隠居生活をさせてあげられるのに・・・

「もしくは・・・ゲントク様が・・・トウタクを一刀両断に・・・」

そこでオウヒツの妄想は終わる。恐ろしい事を考える自分に寒気を覚えるのだ。


そんな折、なんとトウタクがオウインの屋敷を訪れた。

「突然、体調不良を訴え帰られたので心配したのだ」

そう言うと断るまでも無くズカズカと屋敷に入っていった。

オウインは出来る限りの酒と料理と舞妓を連れ、早急に持て成した。

トウタクの隣には当然、リョフがいた。

すると、トウタクが口を開いた。

「ここの屋敷には評判の踊り子がいると聞いたのだが、まさかこいつらではあるまい?」

そういうと舞妓達をうすら笑いを浮かべて睨み付けた。

おそらくオウヒツの事を指している。そう感じ取ったオウインは口を開けずにいたが、

「早く出さんか!!!」

トウタク特有の濁声で怒鳴り始めた。

こうなると、歯向かった者は殺されるのみである。

しかたなく「チョウセンや!」と、呼びだした。


オウヒツも覚悟を決めて表に出た。

27歳。若くは無いが、絶世の美女と謡われる程の評判でその踊りも華麗で優雅であった。

こういった席でトウタクは、舞妓が踊っている途中から舞妓を捕まえあらぬ事を始めるのだが

この時は違った。

料理に手をつける事も酒を飲む事も忘れ、ただただオウヒツ・・・チョウセンの姿に見とれていた。

隣のリョフも同様であった。

オウインは逆に不安を感じていた・・・。

宮廷に呼ぶに違いない・・・と。トウタクの元へオウヒツを・・・。


チョウセンが舞い終えると、トウタクは

「月世界の仙女のようじゃ・・・」

と言うと拍手を送り、大人しく帰って行った。


翌日、オウインが予想していた通り、宮廷から人が来た。がそれは予想外からの客であった。

門を叩いていたのはリョフだった。

挨拶もそこそこにリョフは地に頭を擦り付けて語りだした。

「オウインどの!お願いがござる!チョウセンどのをワシにくれんか!」

今や、天下の大将軍たるリョフがここまで人に遜るものかと驚いたが、人目もある為屋敷に入れた。

「ワシはこれまで戟を振り回す事しか頭に無かったが、昨日のチョウセンどのを見て我を失った。

槌で頭を殴られたような感じがしたのだ。ワシは武でしか物事を計れぬが、それでも一生涯チョウセンどのを

守り通してみせる。この通りじゃ!」

そう言うと、再び床に頭を擦り付けていた。

親としてはここまで言ってくれる事は嬉しかった。が、昨日の様子からトウタクからも使いが来るのは明白であったので

返事を延ばした。

「リョフどの、物事には順序があり、まずは父であるトウタクどのに許しを・・・」

と言い掛けると、「親父ならどうにでも説得してみせる。何とか、頼む」

と言い切った。

これには困ったオウインも、

「分かりました。天下のリョフどのの妻となればチョウセンも喜ぶでしょう。本人の意見も聞き入れ

吉日を選んで宮廷へお連れします」

「本当か!オウインどの!いや今日は良い日だ!なんと良い日か!」

そう言うと2m30cmの天下の大将軍はスキップしながら帰って行った。

それを物陰で聞いていたチョウセンとキョウテイは青い顔をしていた。

と、そこへトウタクからの使いがやってきた。

内容は、チョウセンをトウタクの正室として迎える為、謹んで差し出すように。

との事だった。

キョウテイは甲高い声を発した。

「なんてことでしょう!野獣のような親子がオウヒツ様を奪い合うなんて!」

オウヒツはずっと俯いていた。

オウインもこれには悩み考え込んでいた。


翌日、オウヒツはオウインに打ち明けた。

オウインがトウタクに仕える様になり、自分の無力さに怒りを感じていたこと。

リョフとトウタクを仲違いさせる絶好の機会であること。

オウインは娘の覚悟を受け入れ、オウヒツに短刀と持たせ宮廷へ行く準備をさせた。

確かに、トウタク・リョフのどちらかさえいなくなれば、再び諸国の連合軍が集まれば

この腐った都も滅びるだろうと考えていた。

だが、娘を死地に行かせる事が辛く、すぐに送り出す事は出来なかった。

キョウテイも

「リュウビ様を呼び戻しましょう。ロショク様と一緒ですからまだそう遠くへは行っていないかと」

と言ったがオウインは

「あの大儀溢れる勇敢な人物をトウタクなんぞの命と引き換えにしてはならん」

と反対した。

「じゃあオウヒツ様は・・・」

とキョウテイは泣き崩れてしまった。

それを支えたオウヒツは

「もういいの。父上も頑張ってきたのだから私も頑張らなくてはいけないの」

そういうと2人で抱き合って涙を流した。


その頃、リョフはチョウセンを嫁にもらうとトウタクに言ったが、トウタクも譲るわけにもいかず

互いにギクシャクした空気が流れていた。

そこでトウタク軍の軍師リジュより、莫大な金銀と裏でトウタクが囲っている800人の美女を

リョフに渡せば、大人しく引き下がるでしょう。と言われトウタクはその通りにした。

目の前に大勢の美女が並び山積みにされた金銀を見てリョフの心は落ち着きを取り戻した。

トウタクは巫女を呼び、吉日を占ったが、7日先だと言われた。

しかし「ふざけるな!リョフの気が変わったらどうする!」と言うと巫女を斬り殺した。

「明日、チョウセンを迎えるぞ!準備をせい!」というとリジュが反対した。

「明日は大凶にございます。何卒、お考え直しを!」

と言ったが取り合わずに準備を進めさせた。


その翌日、オウインの屋敷より綺麗な花嫁衣裳に身を包み、オウヒツは大群の使者に囲まれて

出て行った。キョウテイはオウヒツの侍女として一緒に馬車に乗っていた。



リュウビとロショクが茶屋で聞いた歌の暗号は

「明後日、トウタクなる者が死に、世界は変化を向かえるだろう」

という言葉だった。(簡略ww)

董卓(トウタク)という名前の部首が一つ一つとなり

重・草・十・日・・・等の暗号となっており、日付は大凶である日を指していた。

「急げゲントク!ワシに構うな!!」

とは言われたが、ロショクを置いていくわけにはいかず、それでもロショクも懸命に馬を駆けた。


二人がオウインの屋敷に着いた時には、もうオウヒツが送り出された後だった。

オウインの屋敷に入り、事の仔細を聞いたゲントクが拳を握り締め、立ち上がろうとしたが

ロショクはそれを制した。

「もはや遅い。あれだけいた番兵が今日は全くいないのだ。切り込んでも無駄死にであろう」

3人は、もはや成す術もなく、うな垂れた。

庭では牡丹の株が、植えたばかりだというのに芽を出していた。


一方、盛大に送られてくるチョウセンを見てリョフは憤りを感じ始めた。

確かに金銀・美女をもらい満足はしたが、馬車の上のチョウセンを見ると、愛おしさが溢れ

どうしても怒りがこみ上げてきて、いても経ってもいられなくなった。


式が終わり、チョウセンはトウタクの部屋に呼ばれた。

トウタクは既に裸で寝台に寝そべっていた。

「どうした、早くせぬか!」

その醜い体を見て、隣のキョウテイがトウタクに言い放った。

「女には女の準備があります。しばしお待ち下さいませ!」

「ちっ。早くせいよ」

そういうと、トウタクは酒をちびちびと飲みだした。


隣の部屋に移ったオウヒツとキョウテイは互いに涙し抱き合い、覚悟を誓い合った。

チョウセンは短刀を袖に潜ませ、キョウテイに別れを告げるとトウタクの部屋へと入っていった。


リョフは式にも出ず、宮廷内をウロウロするばかりだった。が、チョウセンがトウタクの部屋へ向かうのを

見て、怒りは爆発寸前。今にも飛び込んで行きそうな勢いであった。


トウタクへと近づいていったオウヒツは寝台に上がると、トウタクの両手がオウヒツの服を剥がそうとした。

その瞬間にオウヒツは短刀を取り出しトウタクの胸を突き刺そうとしたが、トウタクはそれを皮一枚で避けた。

「この女め!!」

そう言ってトウタクが力任せにオウヒツを突き飛ばした。

しかし短刀は握ったままだった。

そこへ騒ぎを聞きつけたリョフがトウタクの部屋へ入ってきた。

「おお、リョフよ、よくぞ来た!この女を始末せい!」

リョフの姿を見たオウヒツは行くも成らず退くも成らず、その持っていた短刀で自分の首を貫いた。

リュフはそれを見ると、腰の剣を構えトウタクの元へと向かい、幾度と無くその体を突き刺した。

これを陰で見たキョウテイは、オウインに伝えるべくその場を去った。


リュウビ達はしばらく男3人で黙っていたが、リュウビは決意した。

「もはや、死んでも構いません。私はオウヒツどのを迎えに行ってきます」

と言うとロショクも

「ワシも付き合うとしよう。これだけ生きればもう悔いも無いわ」

と言い、二人が立ち上がった瞬間、

大音声が聞こえた。

急ぎ、表へ出るとそこには、リョフがいた。すぐ後ろにはキョウテイもいた。

そしてリョフの横手にはオウヒツが横たわっていた。

「御免!」

そうリョフが言うと勝手に部屋に上がりこんだ。

キョウテイが急ぎ、白布を敷くとリョフはそこにオウヒツを寝かせた。

その動作は優しさに溢れていた。

オウインが「これは・・・」と言えば、リョフが答えた。

「チョウセンどのは親父を殺そうとしたらしいが、失敗し自害した。だからワシが代わりに親父を殺した」

「え!」

事態はとんでもない急展開を迎えており、その場にいた者はそれを理解するだけで精一杯だった。

リョフはオウヒツの耳から耳飾を取ると「これは形見にくだされ」と勝手に言い残し、

巨体をよろめかせながら出て行った。

針鼠のような鬼の顔からは熱い涙が絶えず流れ出ていた。

キョウテイはずっと涙を止められずにいたが、それでもオウヒツに化粧をさせ着替えさせ一夜を迎える準備をした。

準備も終えると、キョウテイが

「お嬢様、今、参ります」と言い、包丁を取り首に翔けようとしたがロショクが剣で叩き落し

「お主の役目はそれではあるまい」と言い放った。

リュウビはずっとオウヒツの顔を見ていた。

「なぜ、すぐに連れて帰らなかったのか・・・」

後悔ばかりが浮かんだ。オウインは声も無く泣いていた。


オウヒツの植えた牡丹は芽を出したばかりだというのに、咲き誇っていた。


無事にオウヒツの葬儀も済ませると、リュウビの心にはもう後悔は無く、

こうなればオウヒツの親戚である帝の助けとなって、オウヒツの死に報いようと。そう誓ったのだった。


一方、リョフはトウタクの死体を街中に晒した。すると住民達は次々と死体を蹴り倒し

火を付けた。トウタクの忠臣だった者達が、せめて残った骨を埋めてやろうと待っていたが

その火が消えたかと思うと、突如、落雷が轟き、跡形もなく消え去り遂に葬ることは出来なかった。


このトウタクの死により、オウインが丞相となり政治を行なった。

トウタクの忠臣の中でも、横領の事実があった者は追放し、そうでない者はお咎め無しとした。

ただ、リョフは2度の親殺しとなった為、武官文官から咎は無いのか!と突上げられたが、

あくまで親子間の紛争であるとオウインは押し通し、大将軍のまま、オウインの後ろ盾とした。


オウヒツの喪も明けると、ロショクとリュウビは徐州へ戻る事にした。

ロショクは都に残りオウインの助けをしてやりたがったが、リュウビを鍛えてやってくれと

オウインは遠慮した。

その際、ずっと沈んでいたキョウテイにも声を掛けた。

「そなたもここにいては辛かろう。ワシの侍女という名目であれば人の目も気にせず生活できよう」

そういうロショクの意を受け、オウインに別れを告げ、3人で徐州へと旅立った。


徐州へ着いた一行はゆっくりと旅の疲れを癒した。

カンウやチョウヒがリュウビの顔を見てはニヤニヤと嬉しそうに笑い

トウケンの念願だったロショクとの出会いもあり、静かに時は流れていった。

宴の席ではチョウヒとビケイの戦いが毎度繰り返されていた。

チョウヒが皿やら杯をビケイに投げつけるがビケイは全てを往なし、何事も無かったかのように

済ましていた。が、そのチョウヒを叱るのはカンウの役目だったのだが、その時は

キョウテイがピシリとチョウヒの手を叩いた。

すると、あのチョウヒがしゅんと小さくなっていたのである。

皆はビケイの華麗な動きに驚く中でロショクだけがその二人のやりとりを見ていて

笑いを堪えるのに必死になっていた。


そんなある日、トウケンとビジクに呼ばれ、リュウビがビジクの家にやってきた。

トウケンが、

「リュウビ殿はいくつになるか」

「はぁ、今年で33になります」

「もうそんなになりますか。戦場を駆けているとどうしても妻を迎えるのが遅くなります」

そういうトウケンも67歳。息子は二人いるがやっと20になるかならぬかの年だった。

「そろそろ身を固めてはいかがかな?」

とトウケンに聞かれた。

オウヒツの事は今でも大事に思っている。だが、未練は無い。またこの世に立つ者としても

子を成さねばならぬ。

「そこでじゃ・・・」トウケンがビジクに合図をした。

まさか、ビケイを?とリュウビはドキっとした。ビケイは初めて見た時からオウヒツに似て美形であり

人前では決して前に出る事をしない出来た娘であったのだ。

だが違った。

出て来たのはビジクの一族の親戚であるカンレンという娘で、

おしとやかで華やかさは無いが、思慮が深そうな大人しい娘であった。

そこでリュウビは気がついた。いつもロショクと話しているときにカンレン、カンレンと

口うるさく言っていたので、とうとうボケたか?と思ったがここにきて合点が行った。

恩師と世話になっている太守のお願いであれば断る理由は無かった。

「はい、喜んでお受けします」

というと、吉日を選び盛大に式が執り行われた。

その式の中で参列しているビケイを見てリュウビは心迷う事もあったが、それは決して表には出さなかった。

カンレンは式でこそ華やかな衣装に身を包んだが、普段はその辺の娘と変わらぬ衣服をまとい、後宮を取り仕切る

若女将としてリュウビを裏側から支えた。

程なくして、今度はリュウビがカンウを呼んだ。

「カンウよ。しばらく待たせて済まなかった。そろそろ向かえに行ったらどうか?」

と聞くと、カンウはしばらく目を閉じていたが向き直り、袖から髪の束を出した。

「・・・それは!?」

「実は、兄者が都に行ってる間、情勢を探りに洛陽まで行ってな。その時に小屋に寄ったのだが、

ヨウキョウは既に死んでいた」

「なんと・・・」

「川に溺れた子供を助けようと飛び込み、子供は助けたが自分は流されて遺体で見つかったそうだ。

これはヨウキョウの祖父が形見としてワシにくれたものだ。あの女らしい最後だった」

「・・・そうであったか」

「兄者、もうこの話はしないでくれ。ワシは生涯娶らん」


オウヒツと形は違ったが、ここにも壮絶な生き方をした女がいたものと、リュウビは感慨にふけっていた。


「それよりも兄者、兄者と先生が連れてきたあの女・・・」

「キョウテイ殿のことか」

「あぁ。あれは肝っ玉の据わった女だな。チョウヒのヤツ相手でも全くヒケを取らない」

「あぁ、私も驚いている」

「チョウヒみたいなヤツには丁度良い女なんじゃないか?」

と言われ、チョウヒに聞いてみたが

「兄者達が言うなら、仕方ないワイ!」と耳まで真っ赤に染め上げ、

キョウテイもこれを喜んで受けたので、改めて式を挙げた。


こうして徐州にて、華やかな時間が過ぎていったが、悲報も届いた。

冬から体調を崩していたロショクがこの世を去ったのだった。

リュウビは大いに悲しんだ・・・。


その悲しみは都、長安でも起き始めていた。

オウインはトウタクの忠臣だった者でも、殺さずに追放しただけだったが、

追放された者は自然と逆賊と呼ばれるようになり、気持ちは荒んでいった。

中でもリカク・カクシという2名の武将は力を蓄え、長安を攻める準備をしていた。

しかし、普通に攻めただけではリョフの返り討ちにあう。

そこで、かつてトウタクの腹心だったカクの知恵を借りる事にした。

カクは、リカク・カクシが帝を立て、善政をするならと条件を付け力を貸した。


リカクが軍勢1万を持って長安を駆け上るとリョフ軍5万が出て来る。

それに無理はせずに引き上げ、今度は別の軍をカクシが率いてリョフの側面を突く。

リョフがカクシ軍に向き直れば再びカクシは退き、リカクが攻めてくる。

これにリョフの軍は混乱し、そこに元トウタクの軍師リジュが本体を率いて長安を正面から攻めた。

これを聞いたリョフは急ぎ長安に戻り、城内に入った。

だが、城内に入れたのはリョフ以下3000にも満たなかった。城外に取り残された者は

殺され、あるいは投降した。

戦況は長安にとって悪化するばかりで、もはやこれまでかと、リョフはオウインの屋敷へ向かった。

「オウイン殿、馬を召されよ。ワシが血路を開くのでその隙に!」

と言ったが、オウインは首を横に振った。

「もはや、ワシは生きながらえても意味が無い。だがお主はまだ若い。お主だけでも逃げるがよかろう」

そう言うとオウインは、丞相オウインと書かれた旗を馬に指し、正面から単騎で突っ込んで塵と消えた。

その隙にリョフが僅かな手勢と共に落ちていった。


宮廷にまで押し入ったリカク・カクシは帝を見て、

「やっちまうか」

と言ったが、カクが激しく反対した。

「それでは約束が違うであろう!そんな事をすればトウタクの二の舞。お主らに諸国の連合軍を

防ぎきれるか!?」

と言い、帝を保護した。

こうして長安を取り返した元トウタク軍・・・リカク、カクシの軍であったが

どちらが丞相になるかは決められず、互いに大将軍の地位に付き、2頭政治を行なう事となった。


これを見てソウソウは笑い出した。

連合軍を設立し、破れて撲陽に逃げ帰ったソウソウは地道に、親戚のソウコウ・ソウジンを始め

同じく親戚であるカコウ家の将を引き抜き、着々と戦力を補強していた。

やがて黄巾の残党狩りを開始し、民からは感謝され、

「降する者は殺さず」と、広めておいたので次々と兵隊を増やし、勢力を強めていた。


「何がおかしいのですか?」

とソウコウが聞けば、

「過去、2頭政治が長続きした試しは無いわ。その時が好機。各将に伝えよ、準備を怠るな!」

ソウソウは都の方角、西の夕日を見て満面の笑みを浮かべ、酒を飲んだ。
コメント
この記事へのコメント
董卓って、基本的に暴君みたいに書かれるけど実際は漢が滅びてから晋が統一するまでの間に唯一大陸を統治した人なんだよね。
まぁ、本人自体は酒池肉林やらしてたしたいした事はないんだけど、カクや李儒や呂布等、逸材が多くいた事もあって何気にうまくいっていた、という話もある。

それにしても・・・「三国志」なのに5話目にしても三国になる気配が微塵もないね。
本当に終わるのかよこれwww
2011/04/19(火) 05:14 | URL | 冷麺 #-[ 編集]
>冷麺

トウタクってホント王道の悪役だよねw

ね・・・大丈夫か俺w
2011/04/19(火) 17:01 | URL | まる #-[ 編集]
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